宮本顕治の死
これは、個人的には重大事件だと思う。副業ですっかり忙しくなり、アップ出来ないでいたブログだが、この20世紀的な事件は、めったに出合えるものではないので書きます。
宮本顕治氏が亡くなった。
宮本顕治氏はいろんな側面を持っている。非転向の共産党指導者。
共産党の体制を作った人間、権力闘争も旺盛だった。
そして、プロレタリア文学者、文芸評論家としての側面。
誰もが言うであろうが、一時代が終わったと言えるのかもしれない。
だが、
宮本顕治の死は、日本共産党にとっては、これからの、路線どころか、存在意義まで問う大きな問題になりかねない
。フルシチョフは、スターリンの側近でありながら、責任転換を、秘密警察に押し付け、スターリン批判をした。歴史的には、意義のあることではあったが、自己保身の意味合いは否定出来ない。だが自己保身であれ、歴史を大きく変えた。
宮本顕治も、戦前のリンチ事件の総括(総括という言葉嫌いだけど)は出来ておらず、今までの日本共産党は批判する事は出来なかった。宮本顕治は戦時中、非転向を貫いたというのが、歴史的な事実になっているが、殺人罪を必死で逃れたと言う方が当たっている。カリスマ徳田球一を利用し、戦後の闘争冒険主義からの一見平和的主義への転向の方(人が死なない粛正は沢山行われた)が問題にされるべきである。(なんか新左翼みたいな言説になってる)
野坂参三の除名も、目を剥くほどの事件だった。スパイであることを党中央は50年近く知っててどうしようも無くなってから除名した。
(90越えたおじいさんをスパイ容疑で除名)
誰も批判出来なかった宮本顕治をどうするのか、宮本家の家庭教師だった志位も大変である。
もう参議院選挙なんかに力入れている場合ではない。
ここで間違ったら、間違いなく干される。生きてても困るのに、死んだらもっと困るなんて可哀相。
と思う。
安倍首相も、中曽根まで、弔意を示していたが、彼らは、日本の歴史を揺るがす、大事件である。と言う事に
気付いていない。「わかんないけど、とりあえずお悔やみ言っとこか」と言う感じである。
一口に共産党と言っても、政権が共産党という国以外では、こんなに共産党員がいる日本国という国はとても珍しい。40万人の党員、「赤旗」購読者は200万人である。
彼らの殆どが、○明党のI氏を盲目的に・・というくらい、宮本顕治は偉大な指導者であったことを信じてやまない。
それで、僕が興味があるのは、スターリン批判の様に宮本批判を日本共産党がするのか?と言うことである。
宮本→不破→志位体制を踏襲すれば、外からの批判が激しくなり、○明党のように、メディアを敵視し、法廷闘争で乗り切るのか?
対抗勢力が出来て、宮本→不破→志位体制を破壊するのか、でもそれはちょっと考えにくい。
民青は、僕等が学生の頃一部を除いてすでに崩壊していた。と言う事は、政治家として立候補出来るのは40代以上である。
指導する下層がいないのは大きい。
日本共産党はこれからどうなるの、志位さんは、ちょっと前のライフカードのCMのオダギリジョーの心境に近いにちがいない。
「これからどおすんのオレ」「どうなっちゃうのオレ」である。
「日本共産党だから、粛正されても死なないかなら安心だよ。」
て言いたい。
これからの日本共産党の動向は、羽賀研二や村上ファンドのゴシップよりよほど面白い。
どこの国でもそうだが、それぞれの国の共産党の歴史とマルクスレーニン主義の歴史というのは、戦国時代や、邪馬台国の成立などよりよっぽど面白い。(と思うのはオレだけか?)
だって、レーニン、トロツキー、スターリン役、掘り下げればチェーカー役、ブハーリン役、ジェルジンスキー役もいるかも知れない。
ゴルバチョフ役、エリツィン役はなかなかいないけど。
これから数年の日本共産党の動向は目が離せないぞ。