抑圧と自由 ビクトル・ハラの曲

 今日は、嬉しさと悲しみが入り交じるような一日でした。その象徴のような曲を聴きました。会社帰りのカーステが、コステロ作曲"Shipbuilding"をロバート・ワイアットが唄っているバージョンがかかって、感動して、夕食後に家にある、シングル集epsを早速聴いたのですが、3枚目のCDの中に、"Te Recuerdo Amanda"という曲があります。それが、今迄何故気付かなかったのか、イヴァン・リンスの"ある夜"に入っている曲と同じです。両方のクレジットを見ると、曲はビクトル・ハラの曲です。昔、竹村淳さんのラジオで、ビクトル・ハラの曲を聴いて、悲しさと、自由について考えた事があったので、それを思い出しました。この曲を好きなアーティスト2人がカバーしているという発見をしたので、喜ぶべき所なのでしょうが、ビクトル・ハラが、チリの労働者の為に戦って、1973年に軍隊に暗殺されたシンガーソングライターである事を思い出して、抑圧と自由というタイトルにしました。
 素晴らしく、美しいメロディなのに、悲しい唄です。
 僕たちは、いつ本当の自由を知るのでしょう。そして抑圧と疎外に悩まされず、個人として生きれる日は何時来るのでしょう?

シングル・ボックス

シングル・ボックス

ある夜

ある夜

Te Recuerdo Amanda 
テ・レクエルド・アマンダ(愛しのアマンダ)


アマンダ、思い出すよ
濡れた通りを
マヌエルが働く工場へ
駆けて行く君を
顔に広がる笑み
肌にかかる雨


他の何にも気をとられずに
彼に会いに行く君
彼の元へと走る君
たった5分間なのに
永遠に感じられる時間
でも 無情な鐘が鳴る
仕事の再開を告げる鐘が

そして君は歩み去る
その表情は輝かんばかり
たった5分間が 君を見事に花開かせた


アマンダ、思い出すよ
濡れた通りを
一心不乱に駆けて行く君を
彼に会いに
走っていく君を


顔に広がる笑み
肌にかかる雨
君は一心不乱に
彼に会いに行った
走った・・・


彼と一緒に
あの丘へ出かけた者たち
何一つ悪い事など
した事のない人たち
なのに
たったの5分の間に、こなごなになった


仕事の再開を告げる鐘が鳴る
多くの人々が戻ってはこなかった
そしてマヌエルも
やはり戻ってこなかった


アマンダ、思い出すよ
濡れた通りを
マヌエルが働く工場へ
駆けて行く君を