悪童日記 アゴタ・クリストフ

 悪童日記

 有名な小説ですが、読んだ事がありませんでした。けど、悪い子供が主人公になる小説主題は魅力的です。あらゆる、悪徳、盗み、殺人、サディズムマゾヒズム、が出てきますが、それがプロトタイプであるにも関わらず、まるで映画でみる惨劇のように断片的に読者に提示されます。最初は優しさのかけらも無い、おばあさんも最後はすこしかわいく安楽死します。神への容赦ない批判や、事物・事象へのまなざしは、解説にも書いていましたけど、実存主義的で、サルトルカミュに似ているようですが、それよりも、僕的には、村上龍の小説のようでした。語り手は変わっても悪童、ピカレスクの物語は、終わる事がなく続いて行くことを確信したような小説でした。しかし、双子である必要性は、次の小説の為に作られてるだけのような気がする?語りは一人称単数だし。