タイタンの妖女

タイタンの妖女
 
 カート・ヴォネガット・ジュニアの小説を久しぶりに読みました。10数年前にかなりはまって読んでいたので、家には沢山彼の本があります。その頃は今では、探すのが難しい、レアなSFの文庫が105円でいくらでも買えたので、家の本棚はそれなりに、お宝が多い?
 でも、最近ベストセラーになっている。タイタンの妖女は読んだ事がありませんでした。かなり、抱腹絶倒、滑稽な話と言う事で、書評でも、いろいろと面白いと書かれていますが、僕的には、ちっとも笑えない話でした。反ユートピア小説ですが、描写がスゴく軽いので、悪夢に思えません。これは、よくわからない人間の勝手な深読みですが、この小説はThe spirit of the Kingdom な話ではないかと思うのです。なので、本当は宗教的素養のない僕等にはわからない、茶化された部分があるのではないでしょうか?ハヤカワSFではおなじみの浅倉久志さんの訳ですが、この辺りの事はあまり考えてないのかも?
 この人の小説は、近年の作品の「タイム・クウェイク」も、あまり関心が持てなかったので、もう読まなくても良い作家になったのかもしれませんが、売ろうかなと思ってほかの本読み直すと、また、はまってしまうかも。