夜の動物園と、ジョン・アーヴィング

 
昨日は、近くの動物園(といっても西日本最大)に、に夜行きました。毎年、7月8月の夜の第2第4土曜に解放しているのです。昼間に動物園なんかいったら暑さで完全に消耗していまいそうですが、夜の動物園なら、涼しくて快適です。普段寝てばかりいる、猫系の動物(ジャガーとか、ライオン)も活発に動いています。去年も面白かったのですが、今年は、いろんな体験が出来て楽しかった。サファリランドの中に入る事ができたり。ゾウの餌やりをみる事が出来ました。来年も来よう。
 動物園というと、僕的には、ジョン・アーヴィングの、熊を放つを、思い出しますが、この本、上下刊ともなぜか行方不明です。好きな小説だったので、とても残念、なのでこの本で、がまんしますがこの中に、カバの餌やりの場面が出てきます。昨日もカバの餌やりがありましたが、サファリランドの中に入る方を選んだので、出来ませんでしたが、本の中の子供達はひどい、こんなことされたら消化不良でカバも寝れないだろうに。

それから頭がするすると浮上し、長く突き出た口蓋がぱっくりと開いた。その奥にちょっと信じがたいほどの大きなどぶたが見え、じめじめとした巨大な口の匂いがした。窓際の花壇のゼラニウムがまるごと全部腐ったような匂いだった。プールの縁石にのせたそのカバの口めがけて子供達が食べ物を投げ込んだ。ピーナッツやらマシュマロやらキャラメル、コーンーーーそれに紙袋やら動物園の土産やら、父親の持っていた新聞やら、小さなピンク色のスニーカーまで投げ込んだ。

この本の中で、インテリアスペースという短編がありますが、これが、とても良かった、性病を診断する医師の話で、買った家の隣の老夫婦に切られそうになるクルミの木の事を話の中心にしながら、登場人物の人間模様が巧く書かれていて、子供を持つという予感に達するまでの、心理描写が自然に帰結します。こういう小説が好きだな。

ジョン・アーヴィングの世界
ジョン・アーヴィング 村上 春樹
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