ガレージパンクのスイッチ 13th Floor Elevators

 田舎でマンションの横が川なので、一年に、1週間に満たない日にちだけ、熱帯夜を我慢すれば過ごせるという環境に住んでいますが、今日はかなりむし暑い。
Psychedelic Sounds Of The 13th Floor Elevators
 そんな夜にあまりにぴったりな、リッキー・エリクソン13th Floor Elevatorsです。アシッド食い過ぎのリッキーのボーカルが、家の白い壁に、ヤモリの様に貼り付いて、感情を決して読み取る事の出来ないような、黒く透き通ったガラス玉の目で僕を見つめます。見られている僕は監禁状態に置かれ、内面の暗く、情念としてくすぶっている部分が、悪しき煙のようにわだかまって、それが、とても小さな黒い雨雲のように浮いてきます。でもこんな音楽を聴いているうちに雨雲が雲散霧消するのを、ヤモリの目を通して見るのです。第3の目でなくては、見通せない様な音の世界がここにはあり、耳よりも交感神経にダイレクトに繋がっている方がきっと本当に聴く事ができるのかもしれません。
 セカンドボーカルのウヒョッウヒョッは、なんと地声でやっているそう、そう言えばNHKできるかな」のゴン太くんとまるで同じ、10曲目なんか、ほんとにゴン太くんが喋っているみたい。ゴン太くんこんなところで営業してたのね。(こっちの方が先だけど)
 映画「ハイ・フィデリティ」のターンテーブルに乗った記念すべき最初の曲に13th Floor Elevatorsがかかったので、「イヤー、兄さんやるねー」といきなり興奮したのは僕だけでは無いはず。原作では無い場面だったので、選曲に関わったとされるジョン・キューザック君のセンスなら兄さん中々ですよ。
ハイ・フィデリティ 特別版