アル・グリーンとウィリー・ミッチェル 不思議なオヤジ関係

 今日は、不幸事があったので、葬儀のあと家にいておとなしくしていたのですが、たまたまつけたテレビで、ウルフルズトータス松本が、映画パルプフィクションで、アル・グリーンにはまったらしく、アルグリーンとハイサウンドのプロデューサーである、ウィリー・ミッチェルに会うという企画があり、見ました。幸運なことに、僕はパルプフィクションよりも、前に、彼らの素晴らしくメローで完成されたサウンドに触れていましたので、映画でかかったことすら忘れていました。ウィリー・ミッチェルが最初に出てきましたが、かなりのおじいさんです。なんか老けた水野晴雄みたいな雰囲気でしたが、ただ者ではない雰囲気はひしひしと感じます。その後に、アル・グリーンが出てきましたが、ありがちな、フランクなオヤジと言う感じで、今はゴスペルをメインに唄う牧師さんには見えません。ハイサウンドは70年代に倒産したので、「もしかして、食えないから、牧師に転向したの?」とげすな勘ぐりをしてしまいましたが、この頃の彼のボーカルは本当に特別なものです。"Let's Stay Together"は、何度も、何度もを取り直し、しまいには、まだ若いアルが、あまりのつらさに、泣き出しスタジオから出て行ったそう、でも、すぐ戻ってきて「最後迄唄わせてほしいと」懇願し、午前4時に、納得のいく録音になったそう。僕たちは黒人のうまいボーカリストなら、何時でもうまく唄えるのでは無いかと、勘違いしそうになりますが、あのリズムと一体化した抑制されたボーカルは、そういったレコードを作ろうとする、姿勢から生まれたものだと思うと、真剣に聴いてしまいます。最後にアル・グリーンとウィリー・ミッチェルが別れようとすると、アルが、おふざけしまくりで、ウィリー・ミッチェルをムッとさせていました。変なオヤジ関係がそこにあって面白かったのですが、いまでも、友達なんだなというのは伝わってきました。

Let's Stay Together