なんて良い音なんだろう ニール・ヤングの原風景

 今晩は、秋のように涼しい風が、部屋に入ってきて、とても過ごしやすいので、そんな秋風の予感を感じる事の出来る、アルバムを選んでみました。
 若い頃からずっと、聴きたかったのですが、なかなか手に入らず、CDでデジタルリマスター盤が出た時、即買ったアルバムですが、ニールヤングの地味なアルバムが好きな僕としては、ヘビーローテーションの一枚になっています。ニールヤングのようなアーティストは名盤だけ拾い食いすれば良いというアーティストではない、一生付き合う小説家のような作家性を持っていると思うのですが、僕のオヤジといっても良い世代なのに、この彼の歌のリアルな感じはどこからくるのでしょう。うまく言えないのですがロックを聴く人間なら必ず見るという原風景が広がっているような気がするのです。言うなればT・S・エリオットの荒野や、ギンズバーグが猥雑さを荒涼とした目で見る様な、寂しいけど、懐かしいような風景が見えるのです。坂口安吾が戦争末期に見た風景もこのようなものだったのでしょうか。見るとは何かという事を考えてしまいました。
 買った時のっけから、音が良くてびっくりしました。ギターや、ベースの音がはっきりと聴こえ、静かなアルバムなのにとてもはっきりとした音像が浮かびます。全く僕はオーディオマニアでもないし、リマスターにことさら喜んだりする人間では無いですがこんなリマスターなら大歓迎です。
On the Beach