棚からひとつかみ ダグ・サームのすごいもみあげ 「刈るのめんどしい〜の〜」

 彼のアルバムは、レコードで買うのが好きなので、CDはこのベスト盤CDしか持っていないからか、こんな所に紛れ込んでいました。テキサストルネードと自分で唄っているように、テキサスの台風の目になるような、イカしたR&Bサウンドで、良い意味でのノンジャンルな魅力たっぷりです。30代になってから聴いたのですが、年齢を重ねた方がダグ・サームイカした感じがよくわかる様な気がします。彼のバックグラウンドがブルースだったり、カントリーだったり、ジャズ的でもあったり、するので、ガレージパンクに入れられたり、カントリーに入れられたり、はてまたチカーノロックにジャンル分けされたりしますが、ミッチェル・フレームがプロデュースしたロス・ロボスのようなモダンさやアバンギャルド性も持った一筋縄でいかない感じが大好き。
 ジャケで、今は大きくなってミュージシャンになり、ソロアルバムを作っているらしい愛らしい息子と一緒に写っている写真があるのですが、スゴいもみあげ。あご髭を剃っているので、余計に目立つ。それに髪はストレートなのに、なんでもみあげはもしゃもしゃなの? 前も書いたけど、メンドシイノ(Mendocino)という曲があって、この辺りでは、「面倒だ」「めんどくさい」という意味になるのですが、このもみあげを見ていると、「もみあげ刈るのめんどしい〜の〜」と床屋に行く前にしきりに鏡で見ている彼を想像して笑ってしまいました。
 同時代のタジ・マハールと同様、日本では何故かマイナーなミュージシャンですが、この粋な感じは好きになったらはまるよ。機会があったら聴いてみて下さい。

The Best of Doug Sahm & The Sir Douglas Quintet 1968-1975