田口ランディ できればムカつかずに生きたい

 小説「コンセント」に至るまでの、彼女の考え方や生活の事が書かれていて、「コンセント」を読んだ後に読んだので、すっと心の中に入ってきました。彼女の文章を読んでいると、セラピーを受けた様な感じがして読後にすっきりとした気分になります。男性の多くの文芸評論家や、識者のようなわかったかの様な難しげな言葉というのが、一切出てこないのにしっかり複雑な心境や、伝えたい事がわかり、そして少しだけ強くなれる気がするのです。そして、僕たち男がよくやる狐が借りる虎の衣ではなく、内面から強くなれる気がするのです。産婦人科でのエピソードこちらを攻撃してくる様な、看護婦がいて、いつも突っ慳貪なので、ある日「どうして?」と聴くと、向こうも喋るつもりのなかった、結婚しているけれど、子供がいない事、それなのに産婦人科で働いていて、自分でも思っていなかったけれど、くやしい思いをずっとしていた事なんかを打ち明けてくれたのです。「嫌いだという照射をこちらがしていると、向こうもそれをやり返して来る」ということに気付いて、それでは何も良くならないと書いています。そうなんだよな。でも、僕はそんな事ができない、嫌い光線照射しまくり人間なんだけど、だから人間関係がこじれるととことんこじれるのかな?すこしだけ反省。

できればムカつかずに生きたい