もうそれはもう フランク・ザッパな シーク・ヤブーティ 

 1970年代に突入です。
 タイトルは相変わらず適当ですが、初めて聴いたザッパのアルバムがこれでした。多分18か19の頃だったと思いますが、その日暮し的な情けない生活の時に、CDが買えなくて、レンタルなら250円なのでと思ってフランク・ザッパってどんなんだろうと思って聴いたのですが、形容のしがたい音楽で、アスホールとか、麻薬の話、ふざけたエッチな歌詞、コメディチックなのかそれとも真面目なのかわからなかったのですが、その音楽の持つオリジナリティやスゴさは伝わったと思います。面白い曲だらけなので、友人に聴かせまくり、一週間後に返したので、延滞料金がCDが買えるくらいの金額になったというオチ付き。しかも、ある神経質な友人などは、まだ若かったテリー・ボジオの歌う、I'M SO CUTE 「アニャニャアニャニャ アニャニャアニャニャ アニャニャニャニャー」(本当は、A-ren-nenと言っているらしい)が頭から離れなくて眠れなかったそう。
 そんなことは、どうでも良いのですが、このアルバムが数あるザッパのアルバムのなかで忘れがたい作品になっているのは、ライブを過激に編集して作り上げた大作と言う事や、緊張感のある演奏や、音楽の多彩さ、よりも、聖と俗を合わせた様な、ロックのユートピアとも言える様な不思議な世界を、このアルバムで作り上げた事にあると思うのです。それは、正論を振りかざし、権威を借りて、「下らない」や「グロい」やその他沢山の選別の名の下に個人の自由を踏みにじる人達や権力への抵抗を、(本人はおもしろがっているかもしれないけど)くだらない物やエロやグロで完璧にやってのけそして音楽として成功したという奇跡のアルバムだと思うのです。
 この、アルバムで勇気づけられる僕も相当変かもしれませんが、60sサイケや70s産業的ロックの中で、独自の位置にいた彼らがデビュー作フリークアウトの衝撃を残したまま同じ様に衝撃を与えた事は、常に先進的であった事の証ではないでしょうか?
 
 クラシックで20世紀の名演みたいな企画が良くありますが、このアルバムのRat tomago のザッパのギターはスゴい、前も言ったかもしれませんが、ほんとフレーズが溢れて止まらなくて永遠に続くみたいだもんね。
 
 オサマ・ビンラディンを見てピンきたら、このアルバムを聴け


シーク・ヤブーティ