棚からひとつかみ 2人の天然 ジャドとジョンストン

 「棚からひとつかみ」というと、山下達郎のFM番組サンデーソングブックで、忙しい時にやるコーナーですが、家にある700枚入るらしいCDラックをじっと見ていたら、ランダムに並んでいるところを引っぱり出したらおもろいかな?と思って、掴めるだけ引っぱり出しました。
 今日のCDは山下達郎のように、オールディーズやソフトロックやドゥーワップが飛出すのではなく、いきなり強烈な個性爆発ですが、ジャド・フェアとの付き合いは長いので、このCDなんでこんなところにあるんだろうと紛れ込んでいたことの方が驚きでした。なので、掴めたCDの枚数13枚つまり13日間は、棚からひとつかみです。迷惑かもしれませんがお付き合い下さい。
 ジャド・フェアは半分日本人?というバンド名なのに、ハーフ・ジャパニーズの時代から、日本盤になる確率の極めて低い人ですが、ミックジャガーと、ルー・リードを合わせたようなボーカルが、伊藤潤二のホラーマンガのように、半身を地中から鉱物化させながら突き出して来るネガティブさにあふれる最高のLO-HIボーカリストですが、(また、よくわからにゃい表現)地中の、虫けらやミミズの類いと話をしている様な感覚に襲われて、精神のリハビリにはもってこい。引きこもりや、分裂症の治療に使えるのではと本気で思っています。引きこもっているような表現力なのに、それを逆手にとって、最大限に自己の発露に成功しているのです。
 ダニエル・ジョンストンも、ジャドとのセッションはとても楽しそう。
 抱腹絶倒な、ビートルズの Michelle やストーンズの Ruby Tuesday を聴くだけでも楽しいアルバムです。2人の天然と書きましたが、ジャドのロックンローラーとしての、威力はかなりなものがあるので、色ものとして扱うのはやめて下さい。でも一度聴いてはまると普段ロックを聴いているだけだと刺激されない精神(神経)を刺激されるので、ちょっとだけ取り扱い注意ですけど。

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