棚からひとつかみ 四万十川と、片山広明 パルスで襲ってくる音像

crayola2005-09-13

ZERO

 僕の住む四国には、それだけで、四国のイメージと観光が左右されてしまうような有名な川、四万十川があります。5年程前、転勤でその川の源流に位置する場所に住んでいました。夏には、10cm以内の鮎を見慣れている僕等が同じ魚?と思うくらい胴の太く30cmくらいありそうな鮎を食べる事が出来ましたし、毎年秋の風物詩、芋炊きでは、地元産のお茶で茹でた(あくが抜ける)川蟹が最高でした。それに加えて天然の鰻、考えただけでよだれが出そうになりますが、そういう贅沢が簡単にできた場所でした。
 そんな、最高の田舎で、ちょっと車を走らせたら四万十川の源流に西土佐村という村がありました。夏休みや、ゴールデンウィークになると、人間より蛍の方が多いその村もちょっとした渋滞になるくらい観光では有名な、カヌー体験や素晴らしい自然にあふれた最高の場所でしたが、ある日子供と、遊びに行っていて、公園の近くに素敵なホテルが一軒あるのですが、ポスターが貼ってありました。どうやらジャズのコンサートが、その日の夕方からあるみたいです。板橋文夫 THE MIX DYNAMITE 游 yu というバンドみたいです。板橋文夫さんについては何も知りませんでしたし、その他のメンバーも全く知りませんでしたが、ポスターのストイックな感じが良くて、何となく、もう一人の自分が「なんかおもしろそう」と言っていたので、それに村役場、教育委員会開催なのからか、当日券が、なんと2000円これは行くしかないと、奥さんを説得して、行ってみました。ジャズのコンサートなんて、とても久しぶりです、それより5年前に、まだ付き合っていた頃の奥さんと、向井なんとかと、大西順子のコンサートにいったきり行っていませんでした、その時は、パンクロッカーだった奥さんに、「面白くないあの人達何すかしてんの」とさんざん言われましたが、今日は独りなので、気楽でした。でリラックスしようと思ったのですが、板橋さんのピアノ、片山というテナーサックス、井野というベース、小山というドラムが、のっけからトンでもない音量と圧力でフリーに大爆発、「おお、これは世にいう、フリーフォームの激烈ジャズではないか」と興奮で、目が飛び出そうになりました。100人くらいしか入らない場所で、30人くらいの客でしたが、(採算とれるの?)免疫の無い60代の人や、中学生は、おしっこがちびるくらいびびりまくったと思います。ピアノは、調律楽器で和音楽器であることを完全に破壊した。プリペアドピアノの概念を越えた叩くむしるなんでありのめちゃめちゃなピアノで、片山と言う人のテナーサックスは、音のでかさもさることながら、血管がきれそうな程、激烈で、頭の後頭部から、倍音になった音が突き刺さるようです。それでいながら、チンドンを取り入れたり、スピリチュアルなバラード形式の曲も素晴らしく2時間強のコンサートでしたが、今迄聴いたジャズのコンサートの中では最高でした。それにそのとき発見したのですが、僕たちは、サックスの音というものを、レコード盤からでは、残念ながら全てを聴く事が出来ないのだなと言う事を知りました。なんか、脳が共振するような、音が出せるんだよね、サックスってそれは、レコードには記録出来ない、倍音なのかなんなのかわかりませんが、何かがあるのは確か。でも誰でもそうと言える訳ではないと思います。片山広明のサックスは、それを感じる事ができる少ない人ではないかと思います。(生で聴いた事ないので、わからないけれど阿部薫もそうかも)このコンサートですっかりファンになってしまいました。それで、コンサート会場で、CDをすぐに買ってしまいました。キョーシローとの共演や、渋さ知らズ、デガショーなどでも広く活躍されている片山広明さん、是非生で聴いて下さい。
 CDの紹介が殆ど出来ませんでしたが、日本のジャズは、最近買っていないけど結構面白いだよ。でも、このあたりの人達だけに限られるけどね。もうそろそろ、音はアングラ雰囲気たっぷりだけどメインストリームよりも、知名度上がっても良いんじゃない。
しかし、今日見たんだけど、片山広明さんのホームページのタイトル「片山広明_趣味の排便」だって、おいおい。