ロックなジャズだけど、ロックと言いきれない マイルス・デイヴィス

 金曜から、米作りの為に帰省していました。
 いつもなら、仕事でストレスが溜まり、農作業を積極的にしようという気も起こらなかったのですが、今は、逆に身体を使って作業する事に喜びを見いだしたりして、全く勝手な身体と感情です。
 夕方、7時頃帰って、御飯を食べて、売れた本を梱包したりしていたらすっかり夜中になってしまいましたので、短めなレビューですが、
 数あるマイルスのアルバムの中で何が一番好きかと聞かれると、このアルバムになってしまいます。不確かではあるのですが、ブライアン・イーノ無人島に持っていくアルバムにこれを選んでいたような気がします。

 ほとんど、語る事が不可能な形容しがたいアルバムなのですが、サウンドや楽器はロックなのに、ちっともロックではなく、ジャズなんだけど、だけど、何ものにも似ていない独特なサウンドが、僕を夢幻の世界へ連れて行きます。その意味では、何ものにも似ていないという独自なサウンドが、十分にプログレなのですが、
 実は、このアルバム、母親が買ったと思われます。子供の頃からありました。多分、初回日本盤だろうと思うのですが、子供の頃は、なんかジャケが怖かったのと1970年代のサスペンスドラマのサウンドみたいに、緊張感がきつくて嫌だったことを思い出しますが、大学の頃帰省した時に、「マイルスねー」と言いながらヒマついでに聞いた時の衝撃は忘れられません。レアグルーブは死語ですが、1993年の頃には、立派に通っていた言葉だったのですが、「レアグルーブや、めちゃかっこええ」とハマりまくったのを思い出したりします。
 2枚組で、ボリュームがスゴいのですが、B面のレアグルーブから、リズムへの極限的な挑戦、そしてだれも聞いた事の無い、誰も作り得なかった、ジャズの極限にあるような空間とサウンド、今でもめまいがする程です。
 D面の、ファンクも1聴の価値あり。このアルバムに参加していることは、あまり知られてバナード・パーディーも参加しています。

 しかし、いつも言うけど、ピート・コージーのヤバすぎなギターは破壊力抜群。スゴすぎ。
Get Up With It