LOVE というビートルズの新譜?

もう知っている人も多いと思うのですが、


 今日、朝、通勤途中にFMを聴いていたら、聴きなれたポールの声が、聴こえてきましたレディ・マドンナなんだけど、どこか違うアレンジで、しかも、いきなり違うビートルズの曲がかぶってくる。

 「何だ?」と思っていると、DJが「今日から流して良いと言われている、ビートルズの新作アルバム LOVEです」というアナウンスをして、東芝EMIの広報の人が、ビートルズのラヴというテーマを出した新しいビートルズのアルバムです。と言いました。「新しいビートルズの聴き方、それが新しいビートルズのアルバムです」とはっきり言った様な気がします。なんか、今迄みたいな、神聖なビートルズのアルバムに手を加えてごめんなさいみたいな。控えめな感じは全く無く。レコード会社として完全に新作として扱うという感じを受けました。


 けれど、今回のこのアルバム、フリー アズ バードのように、新曲がある訳ではなくて、どうやら5.1チャンネルのビートルズの曲のリミックスアルバムの様です。



 今回はご丁寧に、報道規制していたようで、少数の関係者しか知らされていなかったようで、とりあえずびっくりです。オールディズ生活で、音楽の最新情報は疎い方ですが、確かに全く知りませんでした。

 そのまま、家に帰って、調べてみる程の価値はあったのですが、帰る迄我慢です。そんで、
帰ってビートルズのウェブサイトを見たのですが。残念なことに???の連続でした。

まず、 

21世紀、彼らはより良い音でビートルズサウンドを聴こうとする若い世代にも新たな試みを伝えることを続けている。

なら、出来るアルバムから一枚一枚丁寧な、デジタルリマスターしないのか?
一曲聴いてだけでもおっかしな、オーバーダビングを施す必要があったのか?

この音楽は当初ラスベガスのLoveの公演用に取り掛かったんだが、結果として新しいビートルズのアルバムを作りあげることになったよ。

という、伯爵か公爵か知りませんが、称号付きのジョージ・マーティンのコメント。
まずこれで、このアルバムが完全に彼の企画である事がバレバレです。


そして、ここでラスベガスの公演という謎の言葉が、


それは、シルク・ドゥ・ソレイユというサーカス団なのか何なのかよくわからない団体の公演の為に、マスターテープがかき集められたことを意味しています。
そして、シルク・ド・ソレイユとのコラボレーションがリンゴとポールそしてヨーコ・オノ・レノンとオリヴィア・ハリスンの4人から提案されたと言う事。
それも、かなりの疑惑があります。
全て計画的に画策された後に、現存メンバーと遺族の4人から了解を得たという風に思えるからです。

ポールマッカートニー
「このアルバムはビートルズを復活させたよ。なぜならいきなりジョンとジョージが僕とリンゴと一緒に演奏しているからね。まるでマジックみたいだね。」

リンゴ・スター
「 ジョージとジャイルスはこれらの楽曲を素晴らしく組み合わせたよ。とてもパワフルだ。僕等がレコーディングしてことさえ忘れていた音さえも聴くことができたよ。」

ヨーコ・オノ・レノン
「 このアルバムはLoveの雰囲気を持っているのでタイトルもBeatles Loveになりました。彼らはすべての美しさと斬新さを前面に出しました。」

オリヴィア・ハリスン
「 素晴らしい音楽です。その中でも一番すごいのは曲を分解しても一つ一つが曲全体の要素をもっていることです。」

これらのコメントは、全て出来上がったアルバムを聴かされて、発したコメントです。

4人からシルク・ド・ソレイユとのコラボレーションのためにマスター・テープから新たな実験的なミックスを作って欲しいと依頼されました。

依頼した本人達のコメントでは無いですよね。まるで人任せ。

なんか、このアルバム、グローバルなレベルでのビックビジネスの匂いがプンプンします。


 ジャイルズ・マーティンというジョージ・マーティンの息子が全面に出ているのも眉唾。世代交代を意味し、そして新しい世代へのという意味なのかもしれないが、ジョージ・マーティンの息子というだけで、ビートルズの音源をいじくれるという暴挙はなんとかして欲しいと思うのはきっと世界中で何万人といると思います。考えても見て下さい。

近い将来ビートルズのメンバーがみんな亡くなり。痛々しいアルバムをまた作ったショーン君や、ジャイルズ・マーティンなる人物が、中年になり自分たちの巨万の富を維持する為に、音源を使うだけ使い、ビートルズをぐちゃぐちゃにしていく姿を。


 なんか、このアルバムとりあえず歓迎出来ないのは、レコード会社側が、ビジネスの為にビートルズを利用している様に思える事、そして、ファンはリミックスアルバムなど必ずしも望んでいない事、を思います。そして、若い人達がいつの時代のアーティストでどんなバンドだったのかを誤解する可能性すらあることです。


 古いものを、再生するのには、限度があります。たとえ悪い気もしますが、古紙は2度も3度もリサイクルする事は出来ません。音楽もオールディーズであるものは時代を完全に無視して聴く事は出来ません。


 悲しい事ではありますが、ビートルズの音楽は不滅だと思いますが。決していつの時代でも普遍的に新鮮で新しい訳ではありません。古い音楽なのです。
クラシック音楽がそうであるように、ビートルズの曲をカバーする音楽家が新しく解釈するしかありません。



ビートルズの音楽が、60年代に何故あんなに受け入れられたのでしょうか、それは、目新しく新鮮で刺激的な音楽だったからです。



 それを忘れてはいけません。


 色々書いてしまいましたが、ビートルズの音楽を愛すればこそ言いたいのです。
 皮肉な事に、このアルバムのタイトルも LOVE